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2010年9月

2010/09/30

005.ウェルカム、「車で3時間半」 (3/3)

〔‥つづき〕

ところで、小代へ下見に来た日に、すごく気になって目をひかれた光景がありました。新屋へと続く長いのぼり坂の道沿いに、あじさいが並んで咲いていたのです。

道の両側に、20株ずつくらい植えられてあったのではないでしょうか。
山林の多い場所であっても、人の住んでいる「町」である、ということを「ぐっ」と印象づけられました。[新屋は、スノーパークなどの施設へ毎年お客さんを迎えてきた町だけに、もてなしの心が蓄えられているのでしょうか?]

それから同様に、養父市の八鹿バイパス(9号線上)あたりですが、「朝倉」というところの道が、きれいに刈り込まれた並木の道でした。
トンネルを抜けたところで、その道がでてくるので、私は勝手に「ウェルカム・ロード」だな、と名前をつけておりました。

誰でも、自分がふと気づいて好感をいだいた光景には、愛着をもつものだと思いますが、私の場合、小代を訪れるごとに、その「ウェルカム・ロード」やウェルカムあじさいと再会できるのが、(運転中の出来事として)喜びでした。

実は、今回の私のこの仕事への応募のきっかけとなるお話を教えてもらったのも、兵庫県の「上郡(かみごおり)」というところへ仕事で行ったとき(5号線? 東西に走る道)に見かけた「並木道」が可愛らしく、感激した! という話を知人にしたことがきっかけで始まった会話のなかででした。知人は言いました。「そういうところへ行く仕事だったようだけど、そういうところへ住む、という仕事もあるよ。」

上郡の並木道の場合は、「よし、結婚したら、その並木道を見に小旅行しよう~」などと勝手な想像をふくらませるに十分な余白のある、魅力的なものでした。上郡までの距離を、あまりに遠いと感じていたため、それほどの飛躍のある想像が到来したのでしょうか?? ‥ともあれ、現在但馬へたどりついている背景には、「並木道パワー」の導きもあった、というわけです。
長時間の移動で、ややもすれば単調なリズムの時間を過ごす者のこころには、ちょっとした並木道などの光景が、ごほうびのように映る、ということでもあるのかもしれません。

さて一方。
新屋のお宅に着いたときに、近所に住むという、84歳のおばあちゃんが迎えてくれました。非常にお元気な方でした。どういうわけか、我々の到着をとても喜んでくれました。
「よう来んさったなー」と。
(このおばちゃんのことについては、また書くでしょう。)
‥ウェルカムな話題を連ねてみました。

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新屋集落への入り口付近。
長く続く坂の終盤で、ぽんぽんぽんぽんぽんっ、とアジサイが迎えます。

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但馬へようこそ。並木道が迎えます(写真は、朝倉[養父市])。
そして、わたくし、大久保もお待ちしております(但馬オフィスまであと40km!)。

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005.ウェルカム、「車で3時間半」 (2/3)

〔‥つづき〕

大阪に住むのと、小代に住むのとでは、環境がガラリと違う。
道のつくりや、道どうしの関係もぜんぜん違う。
ということは、「距離(km)」や「かかる時間」だけを単純に比べる話からは、あまり何もでてこないような気がしています。やはり、「感覚(心理的なもの)」の比較も伴わなきゃいけない。「感覚」を比較しようにも、まだ(小代に)住んでいないから、感覚がない。

なので、小代に住んで半年をすぎたくらいの、車での移動にも慣れてきた頃に、新屋の家からの「●めっちゃ近い」~「●遠いけれど行けなくはない」までのリストを作成し、それとの関係で、小代から大阪までの距離が、よくいく場所の何倍くらい遠いエリアなのかを算定してみたいな、という風に思いました。

というわけで、半年後の記事をお待ちくださいませ♪
////////
とはいえ、現時点でわかっていることも、いちおう書いておきましょう。

●いちばん近いマクドナルド - 和田山店(車で72分ほど)
●いちばん近いコンビニ - LAWSON 村岡店(車で30分ほど)
◎いちばん近いスーパー/ホームセンター - ナカケー/コメリ 村岡店(車で24分ほど)
●小代エリア内の小売店 - チコマート(車で7分ほど)

[※あとになってわかったことですが、小代から大阪・神戸方面へゆくのでなく、反対の鳥取側へゆくなら、「いちばん近いマクドナルド」として、鳥取北店が50分ほどでゆけるようです。また、豊岡エリアも同じくらいのがあるかもしれませんが、未確認。]

現時点の経験値にすぎませんが、これまでの感覚で言いますと、
● ≪ たいていのものが「天王寺」より遠くにある。≫
[★天王寺は、福島からみて、大阪JR環状線の反対側。]

まず、距離でみると、新屋の家から、チコマートまでが、だいたい5km。おじろん(銭湯感覚でゆける温泉施設)までが、7km弱程度。‥ほんまの最寄りの店までが、距離ですでにある程度離れているわけです。(こんなに「坂道」でなかったら、自転車で行けなくはなかったでしょうけれども。) ‥これらは、これまでの自分の感覚での「●ちょっと遠い」ゾーンです。

次に、かかる時間でみると、それなりに品揃えのあるホームセンターへ行って、スーパーにも寄ろう、と思えば、片道20分以上かかる。これは、福島から天王寺まで大阪環状線でゆく(20分)より遠いわけです。

「天王寺」より遠い、ということは、(生活上) ちょっと遠い。
いろいろなものがまばらにあるのだと思えばよいのでしょうか。

大阪にいるときは、休日など、公園へゆくのが好きでしたが、いまや、公園どころか、山林があり、おいしい空気にあふれています。まばらになった各種店舗や施設のあいだを埋めている、山林や田畑の光景たち。それらが、何より、これまでとの違いでしょう。

〔つづく‥〕

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005.ウェルカム、「車で3時間半」 (1/3)

小代まで(新屋地区まで)、大阪(福島区)から車で、どうやら3時間半ほどかかるようです。
例えば、大阪から神戸まで自転車でゆくと約2時間かかりますが、それと比較しても、さらに「長時間」です。
**

車にのった経験がほぼないこともありまして、「車で3時間半」といってもなかなかイメージがわかない。これまでの暮らしでは、主役の乗り物が「自転車」だったので、距離を把握したいときには、なんでも自転車でかかる時間に置き換えて把握していました。‥ここにきて、このものさしは破綻するわけです。
せっかくなので、このものさしの「最期」をしっかり見届けましょう。(有終の美??)

これまでの暮らしでは、買い物スポットや繁華街、知人のよく集まる店や図書館、たいていどこへも、自転車で10分~20分ほどでゆけました。小代に住んだら、どんな感じになるのでしょう??

しかし、単純な比較を急がず、まずは、大阪で暮らしていたときの感覚を書き留めておきましょう。

 ≪大阪市福島区福島4丁目より、自転車(クロスバイク)で≫
●めっちゃ近い - 北新地 2.0km (9分程度)
●かなり近い - 北浜, 梅田茶屋町など 2.8km (17分程度)
[※梅田茶屋町は、梅田まで福島から1駅、と思うので心理的に近いが、梅田北ヤードの工事エリアを通ることもあり、わりあい距離がある。]
●まぁ近い - 心斎橋, 弁天町 3.6km くらい (18~22分)
●意外に行きやすい - 京橋 5.4km (28分程度)
[※心斎橋へは、格子状の道の色々なパターンでゆけるので、川を渡らなければならず道の選択肢がそう多くない弁天町へゆくのに比べ、距離は同じくらいでも、短時間でゆける。京橋へは、曽根崎通りの広い道を使えるほか、桜ノ宮エリアの信号の少ないところを通るので、距離のわりに短時間でゆける。]
//////////
●ちょっと遠いけれど、行けなくはない - 森之宮[6.4km], 尼崎[6.8km], 天王寺[7.2km], 城北公園[7.9km]
●よくいく場所の4倍~8倍くらい遠いエリア - 高槻市[24km], 神戸元町Big Apple[30km]
[※自転車で歩道を通るときは歩行者に気をつけましょう。自転車での走行中は、原則ヘッドフォンや携帯電話の使用禁止ですよ。]
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〔つづく‥〕

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2010/09/29

004.素敵な温泉、おじろん

ところで、家主さんのお話では、「冬はかなり寒くなるので、風呂では湯船につからなければいけない。ただ、現在、風呂のバスタブの状態がよくない。なので、住んでいただく際には、そこを直してもらいましょう」、とのこと。あとそれから、近所に、300円で利用のできる温泉施設(小代の温泉、その名も「おじろん」)がある、というお話。

これにて6月28日の下見は完了。

家のあるところ(新屋地区)は、「ミカタスノーパーク」で検索したときにでてくる場所のすぐ近くということのようだった。なお、家主さんご自身が、「スノーパークがこの地につくられることになった」経緯に深く関わってらっしゃったらしい。

**

下見を終えて、大阪の家に戻ってから数日間、家主さんの話が、おりにふれ思い出された。
「雪のすごいところだから、雪を活かせるようにできるのがいいだろう。それで、スノーパークをつくってはどうか、と‥」

近所に温泉があるというなら、冬場は特にありがたい話かもしれない。「おじろん」へ下見のときに立ち寄ってみたら、定休日であった。せせらぎのすぐ近くに作られたものである、ということがわかったのと、屋外部分に、せせらぎの音のそばでくつろげるガーデン・チェアのある庭がある、ということがわかった。なかなかきれいな外観。そして、300円。つまり、(まだ入っていないけれども) 素敵な温泉なのだ。

雪囲いのことも思い出した。冬場は、雪が積もると家から出られなくなるので、玄関から道路までの通路部分を確保すべく、雪囲いをつけてあるのだそうだ。(春になると取り外す。) 暖冬傾向にあるが、それでも1m くらいは積もるらしい。

色々考え合わせると、どうやら、そこは雪国なのだ。
大変だ。自分が、冬 の 寒 さ に 弱 い 人 種 で あ る ことを、すっかり忘れていた。
持ち帰った香美町のパンフレットを読み返してみた。
都会暮らしの人向けに、Iターンを呼びかけているバージョンのもの(「私たちといっしょに 香美町で暮らしてみませんか!」)だった――≪気象条件 ‥ 海岸部は 〔中略〕 おだやかです。一方、山間部は「関西の北海道」ともいわれ寒さは生やさしくありません。≫

「関西の北海道」??
放牧場のあるエリアを通った記憶や、お米がおいしいという話題を耳にした記憶。熊が時々でるから、気をつけなければいけないという話。いろいろな記憶の断片がようやくきれいにひとつのイメージに組み合わさった。

まるで北国!
めっちゃ寒いところなのだ。

(私宛の) アーメン。

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おじろん(温泉施設)にて。‥300円で入れますよ!

004_mg0887kakoi_3 冬場は、雪囲いがないと、家から外に出られないそう。

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003.空き家をお借りする

【2010年6月28日】
「小代(実山)での集落サポーター業務を担当していただくにあたり、住む場所としては こ こ になります。」(会社からの案内。応募者であった私向けの言葉。)

「新屋(にいや)」という集落。実山より少し足をのばして到着。かくおさんよりお借りすることになる空き家。今回の訪問は、「下見(現状確認)」をするのと、「車」をその家のガレージに運ぶのとが目的だ。

車というのは、会社の軽トラックで、この日まで実山で預かってもらっていたのだった。白の軽トラで、農道などでもよくみかけるタイプの車。

下見というのは、ぶっちゃけた言い方でいうと、ひとつは、会社が「この家に住もうという場合には、あと何と何が必要であるか」を確認すること。そして、もうひとつは、私と「家」との相性を確認すること。はてさて!
**

私はこの6年間ほど大阪に住んでいた。福島区というところの集合住宅で、ワンルームだった。ひとりで暮らす前は家族でマンション住まいだった。生まれてからずっと、集合住宅にしか住んだことがない。

今回のこの家は、戸建の住居。そして、玄関も部屋も風呂も、広い。‥到着し、「まずは喚起しなくちゃ」。台所や縁側に沿って並ぶ窓や雨戸を開けてゆく。‥いっぱいある! 「広いというのは素敵だが、なかなか大変でもあるぞ!」(第一印象)

掃除をしたりするのが大変かなぁ、と。しかし、家主さんいわく「7年半の間、空き家だった」そうであるが、ぱっとみたところ、非常に状態がよい。毎月のように掃除に来られていたのではないかな。

≪戸建の住居に住ませていただく≫ という選択肢を前にした私にとって、強く背中をおしてくれる、頼もしい要因がひとつあった。私自身に経験がまったくない反面、私がふだんよく一緒に過ごす人が、戸建住居に住んだことがあり、しかも、一戸建ての家が大好きなのだ!! ――かくして(?)、私にとっては、相性「良」の家とのご対面であった。家にとって私がどうであったのかは、またおいおい家に耳を傾けてみることにしよう。めでたしめでたし。

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ひとりで住まうにはたっぷりすぎるスペースです。

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急な斜面に沿って。あじさいの季節でした。

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2010/09/26

002.初実山

【2010年6月28日】
≪ 実山集落を担当し、「集落サポーター」として活動する。≫
そういうお仕事の募集があると教えてもらって、応募したところでした。

浅見さんに教えてもらって、だいたいイメージしていた仕事内容は、
・ 集落の一軒一軒を訪ねてゆき、お話をきくこと
・ 集落のなかで、集落の人と一緒に作業をすること
・ 観光で来た人や、農作業体験に来た人の窓口になること

この日、実山へ初めて立ち寄りました。
「坂道が多いなぁ」という第一印象。
道が、集落をぐるっと一周するようなかたちに走っていました。
(あとでわかったのですが、そうなっていると除雪車も通りやすいのだ、とか。)

矢田川沿いの道から離れて登ってきたわけですが、
矢田川をはさんで対岸の谷にあたるところに、吉滝キャンプ場やスキー場があるらしく、実山の集落からもよく見える、とのことでした。

お宮さんの近くに牛舎のある家があり、黒い牛が出てきていました。
斜面の上に家を建てるので、下が石垣になっているところとかもあるのですが、その石垣が、なかなか立派につくられています。
「石垣のこのあたりをよくみたら、竜の形になっているよ」
と浅見さんが教えてくれました。竜の形になっているなんて、かなりしゃれているなぁ、と思いました。

この日は、実山区長はお留守にされていたようでした。どなたともお会いしませんでした。

それからそのあと、私が住むことになる家のあるところにも足をのばしました。家は、実山より3つほど「奥」(川の、より上流部分・標高も高い)にある集落のなかだそうです。それぞれの集落は、ひとつひとつが小さな谷に位置しているパターンが多い様子。「隣の集落は、あの森の向こうだよ」という感じで、集落と集落のあいだには山(尾根線)が間仕切りのように走っていました。
〔つづく‥〕

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実山のとある一角で。

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001.小代に住む

【2010年6月28日】
実山は、「小代(おじろ)」のなかの一集落。
小代に住むことが決まりそうだった。

小代は、兵庫県北西部、日本海に注ぐ矢田川のいちばん上流部分の町。矢田川をはさむ両側の斜面、いわば「ひとつの谷」のぜんたいが小代の町だった。
川沿いの道に面して、集落がいくつかあるが、斜面をずっと上がったところにも家々がある様子。斜面に住むのは、どんな心地だろうか。
「斜面に住む」と言って私が連想するのは、神戸の山手や甲山(兵庫県西宮市)の家々。あるいは空堀商店街(大阪市中央区)。。「自転車だとしんどい、というかムリだろうなぁ。」
矢田川をずっと下ると、「香住(かすみ)」という漁港の町があり、その隣の浜坂と並んで、松葉カニなどで有名らしかった。「香住や浜坂だったら知ってるわ」「行ったことあるで!」という友達が何人かいた。

小代に隣接して、「村岡(むらおか)」という町がある。村岡なら、私も知っている気がした。高原があり、スキー場があり、放牧場があり。学生時代に来たことがあった山麓は、そのさらに峠を越えた養父市側だったかな??  とにかく、ハチ高原やらハチ北高原やらには、親近感があった。早速、小代へ一度連れていっていただけることになった。嬉しかった。[※鉢伏山の北側山麓にハチ北高原があり、香美町(旧村岡町)、南側山麓にハチ高原があり、養父市(旧関宮町)、ということのようです。]

小代への遠足(6月28日)の途中、村岡の道の駅に立ち寄った。但馬牛をつかった数々のメニューを提供する食堂があった。一品を食べさせてもらった。ファンになった。
但馬牛のファンは何人くらいいるのだろうか??
兵庫県北部を「但馬(たじま)」と呼ぶらしく、但馬といえば、城崎温泉や出石そば、湯村温泉や神鍋高原なども含む広い範囲を指すようだった。豊岡盆地や生野銀山も含む、ということで、相当広い。しかし、そのどれもが、私の住む大阪からみると、かなり離れたところにあった。

「小代(旧美方町)」「香住」「村岡」3つの町が合併して「香美町(かみちょう)」になったらしく、香美町のパンフレットは、バラエティに富む3つのエリア(谷!山麓!港町!)を紹介するもので、なかなか楽しかった。

兵庫県はデカい。
ひとつの谷でひとつの町(小代)、というのはかわいらしい。

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夏の小代(おじろ)は、こんなところです!
(手前・矢田川にかかった橋、河川敷部分に棚田)

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2010/09/21

000 - パーンッ (3/3)

〔‥つづき〕

たとえば――同じ9月7日の出来事を拾ってみましょう――ためおさんという人から、「明日台風が来るらしいから、今日じゅうに自分は稲刈りをしてみようと思う。けれども、稲刈り機の調子がどうも悪い」という話をきく。その後、きちろさんという人の家を訪問すると、きちろさんは留守で、奥さんいわく「ためおさんを手伝いに出かけましたよ」。ところが、その後、きちろさんと会い、≪きちろさんの稲刈り機も調子が悪かった≫ ということを教えてもらう。〔中略〕 最後に、ためおさんと、正常に動くコンバインをのせた車が、区長の田んぼの横を横切ってゆき、途中まで刈ったまま放置されていた田んぼに到着する。サルを見張っていた区長や私のほうでは、その光景をみて、「ああ、ためおさんのところ、結局うまくゆきそうな様子で、よかったなぁ」と胸をなでおろす。また同時に、集落内にある、メンテナンスの必要な農業機械についての情報も共有されている。‥と、こんな感じ。

この時。。 実山流の「口コミ」での情報伝播の様子がわかってきた、という感覚と、サルが登場して「パーンッ」という音とともに、町の中の情報ネットワークが揺さぶりをかけられているのをみた気がしたこととで、何か忘れ難い時間を過ごしている、という心持ちになった、というわけです。

**
ということでございまして、
長々と書いてしまいました。
このブログでは、おもに日記スタイルで、集落サポーターとしての私の活動や見聞をつづってゆこうと思っております。
また、イベントなどの告知や、なにか呼びかける投稿もさせていただくことになると思います。実山へ行ってみよう、というひとや、私に会いに来てくれるひと(笑)、大募集です。

今日までのあいだ、記事をアップロードして来なかったこともあり、リアルタイムの情報発信と、過去の日付の日記のまざる面がでてきます。また、「です・ます」調の展開と 「だ・である」調の展開との両方を共存させる見通しです。ご了承くださいませ。

実山で、がんばりたいと思っております。
どうぞ、よろしくお願いします!

人・まち・住まい研究所 大久保 祈

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000 - パーンッ (2/3)

〔‥つづき〕

結局その後、かおるさんは、「まだ熟れてないけれども、盗られるよりはましだろう」と、玄関前のかぼちゃを全部とってしまった。一方、(※別の話が交じります→) ためおさんは、無事、正常に動くコンバインを引き連れて上の田んぼへ上がってゆき、私は、はるこさんより、翌々日の稲刈り作業のお手伝いを頼まれ、実山の日は平穏に暮れた。

*****
申し遅れました。大久保 祈 (おおくぼいのり) という者です。
私は、実山集落のサポーター(支援員)として派遣された人間でして、
直接にこの地の人々をお手伝いして活動します。
それと同時に、さまざまなかたちでの報告や情報発信をすることになっておりまして、実山という「モデル地区」で私が見聞きしたこと(サポーターとしての体験)のうえには、県のひと(地域振興課)や私の上司(集落アドバイザー)の眼が注がれているそうです。必要な場合に私の動きの方向づけや軌道修正をしてくださるでしょうし、諸氏の今後の取り組みの参考材料となるものがでてこないだろうかな、と期待もされているのでしょう。

ブログ記事をつづることも、その活動のひとつです。

9月7日の出来事を最初に書いてみました。
その日、私は実山集落に住む方々の、稲刈りの予定をたずねようと、坂道をのぼったりおりたりしつつ、何軒か家々をまわっていたのですが、その道中で嬉しいなと思うことがありました。

私がこの地に来てひと月ほどが経ち、≪少しずつ、この集落のひとにとって私が「顔なじみな存在」になってきている≫ ということが背景にあります。(サルたちほどでないにしても!)
一方、私のほうでは、集落内をくるくるまわってゆくあいだに、「行き交う人々が、自分や他の人の動きを口頭で伝えあいながら、集落内で進行中の出来事を共有している」ということが、だんだんとわかってきました。

私が情報の聞き手となり、その情報を(私が見聞きしたことをつけ加えつつ)他の人へ伝えると、そのことによっても、出来事の共有がひろがってゆく。また、私自身の動きも話題のひとつとなって、伝わってゆく。そんななかで、実山での出来事を内側からみている、という感覚が生まれてきたんです。
もし、「コミュニケーションってそういうものだよ」と言われれば、そうかな、と思うかもしれませんし、当たり前のありふれたことであるかもしれません。ですが、「実山の地形の新鮮さ(:またあらためてご紹介しましょう)」とともに、私にとっては新鮮に思われること続きで、嬉しい感覚でした。

〔つづく‥〕

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000 - パーンッ (1/3)

ある日の出来事。夕刻近く。
私は実山(さねやま)にいて、そばにいる実山区長の奥さんの叫び声をきいた。
「おとうさん!」 (区長の奥さんが区長を呼ぶ声。)
サルが、かおるさんの家の前のカボチャをとって、くわえて逃げたのだ。

区長が空気銃を手にでてくる。
自分の家の田んぼも見にゆく(サルが来ていたら追い出す)と言うので、
私も車の横に乗せてもらい、区長と一緒に上の田んぼへあがることにした。
急な坂道をのぼったところに、田んぼが段々に並んでいる。

「パーンッ」
花火の音。サルたちを威嚇するための、そして、サルがいる場所を知らせるための。
ほどなくして、よそから車で来て、装備をしたひとが降りてくる姿もみえる。
町(ちょう)のサル追い(管轄エリアが香美町全域なのかな)の人だそうだ。

「騒然とした空気」がただよう。
これ以上、被害(鳥獣によって自分たちの農作物が食べられる被害)を増やすまい、
という取り組みの緊張感の高まりが伝わってくるからだろう。
また同時に、「あくまで日常のひとコマだ、という空気」も流れている。
野菜類の食害といえば、数年以上前から頻繁におこっている事態らしく、
ここ2年間ほどの電柵づくりなどの対策がそれなりに功を奏している様子であり、
少なくなってきてはいるという。

私にとっては、野菜をくわえ走るサルを近くでみるのは初めてのことだった。
(そのサルにとっても、私の前を走り去るのは初めてのことだろう。)

ちなみに、この地に住む野生のサルや熊は、「里の人々と共生する存在」というこ
とになっている。町が電子タグの情報をもとに流す放送を通じ、群れが
現在、町のどのエリアにいるのかがわかるようになっているのだ。

その日の昼は、「サルの群れが、平野地区(実山のお隣の集落)で確認されている」
という放送が流れていた。

〔つづく‥〕

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